カテゴリー「書籍・雑誌」の記事

2008年11月18日 (火)

オススメの本3 世界を我が手に

今日紹介するのは、“SF小説界の異才”フィリップ・K・ディックの短編小説『世界を我が手に』(“マイノリティリポート ディック傑作集”より)

『世界を我が手に』のスローガンの下、地球市民の一人ひとりがミニ惑星を自作するゲームが流行している未来社会が舞台。地球人がミニ惑星を作る理由は、宇宙探索の結果、太陽系内に地球人以外の知的生命体が発見できなかったことにある。自己の欲望を内側の支配に向けたわけです。
しかし、地球人は突如としてミニ惑星を破壊しだす。その事件に困惑する政府のもとにある驚くべき報告が届いた……

いやぁ、訳の分からん小説だと思いきや、ラスト2ページで鳥肌が立って気持ち悪くました。確かに傑作、いや怪作です。
この短編は、僅か30ページの中で、人間の隠れた暗い部分をえぐり出し、今目の前に存在する“世界”に疑問を投げかけています。
それは真実の姿か、見間違っていないか? と……

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2008年11月12日 (水)

オススメの本2 ローマ人の物語〜ハンニバル戦記〜

今回紹介するのは、塩野七生著『ローマ人の物語〜ハンニバル戦記〜』です。
古代地中海世界最大の名将ハンニバルを描いた歴史小説ですが、著述形式は歴史書みたいな感じです。
古代地中海世界最大の国家『共和政ローマ』。この国に、少数精鋭の傭兵軍を率いて戦いを挑んだ男がいた。その名はハンニバル。カルタゴの英雄ハミルカルの息子にして、テュロス王家の末裔、カルタゴ軍の最高司令官であった。
彼は奇襲攻撃や包囲殲滅戦術を得意とし、歴史上の人物で初めてアルプス越えを敢行、イタリア半島に侵攻した。その後、3度も強大なローマ軍に圧勝、中でもカンネの会戦は、ハンニバルが凄まじい戦術を駆使して圧勝したことで世界中に知られている。
彼の目指す先には何があったのか。2000年以上昔の軍事的英雄の栄光と没落に迫る作品でした。

その名は、世界各国の世界史や西洋史の教科書にほぼ必ず載せられ、皇帝ナポレオン・ボナパルトやチャーチル首相、パットン将軍が憧れたほどの名将と言われています。

いや〜、ムチャクチャ格好良かったですよ。圧倒的不利な戦況をひっくり返し、気持ちがイイほど圧勝するところは特に。
更にローマに敗れた時のローマ軍の司令官も軍事的才能に優れ、二人は和平会談で互いに惹かれ合うのに交渉は決裂、最終決戦で二人の英雄が大軍を率いて激突する様は血が騒ぎました。なんか、歴史スペクタクルを見ているような気分です。
そしてハンニバルの鮮やかな戦術は鳥肌モンです。崖から駆け下りてローマ軍を奇襲してほぼ無傷で圧勝、数で圧倒されても冷静に状況を判断し、敵の弱点を衝いて逆転勝利。正に英雄、ヒーローです!

しかも、雇われたに過ぎない兵士達も死ぬまで彼に従い、戦い続けました。負けるその時も、長年連れ添った部下の将兵は誰一人として裏切らず、全滅するまで戦いました。敬愛する御大将のために、って気持ちだったんでしょうね。

金も払えない司令官に無償の奉仕。正に戦場のカリスマだからこそ成せる業ですね。確かに憧れます。

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2008年11月 1日 (土)

現在、ハマってる本。

はじめまして。reuenthal(ロイエンタール)です。初記事ということで、現在ハマり中の本を紹介したいと思います。MEの名前はこの本のお気に入りキャラの一人からお借りさせて頂きました。

その名は、田中芳樹の『銀河英雄伝説』全10巻。田中さんは「アルスラーン戦記」や「タイタニア」で有名なベストセラー作家です。

「なんだよ、B級SFか?」と思った方、この話を聞いてから言ってくださいな!

この小説、タイトルこそB級臭がするものの、内容は秀逸。日本で一番売れたSF小説であり、徳間書店による発刊からおよそ20年が経った今でも、新しい会社から発売されています。確か創元社のSF部門?

発行部数は6年ほど前に1000万部を超え、現在も走り続けている『ご長寿ベストセラー』なのです。

内容に軽く触れますと、今からおよそ1000年後の未来でも、人間同士が民主主義陣営と絶対王政陣営に分かれて戦い続けている世界について、ある歴史学者が語り出します。(その時、歴史は動いたみたいなヤツ)

読者の中には、序章がダラダラしていて辟易しちゃった人も多いかと思いますが、ところがどっこい!

1章からいきなりバトル、ファイト、戦闘連発で、2巻までいかないうちに登場人物の1割以上が死ぬw

しかも戦闘は超論理的。三国無双みたいな一人の勇者が何百人もの兵士を薙ぎ倒すアクションではなく、数万隻の宇宙艦隊がぶつかり合う団体戦なのです。

帝国(絶対王政)2万隻VS同盟(民主主義)4万隻の戦闘に最終的な勝利を収めたのは、後に「常勝の英雄」とか「金髪の獅子」とあだ名される、ラインハルト・フォン・ローエングラムという弱冠20歳の司令官が率いる帝国軍でした。つまり、うら若き少年の軍が筋骨逞しいベテランが率いる2倍の敵軍を打ち破ったわけです。しかし、敗れた同盟軍にも、全軍崩壊を目前に1人の英雄・ヤン・ウェンリーが現れて、負傷した司令官に代わって態勢を立て直し、反撃に移る……

もう男性陣は、ワクワクでしょう?

しかも、女性にもウケるようにしたのか、ラインハルトは「この世にこれほどの者がいたのか」と周囲の人に言わせてしまう『宇宙一のドイツ系美男子』。アニメ風のイラストを見てみると、同じ男とはいえ、鳥肌立ちます。でも、黄金の長髪で氷のような瞳を持つ長身のラインハルト坊やはシスコンでしたww

対するヤンは、アジア系の顔をしていて、「見方によっては二枚目の学者風の提督」と言われており、「戦争の芸術家」とか「魔術師ヤン」とあだ名されながらも「軍人ほどろくでもない職業はない」と言い、軍人という職業に就いている奇妙なお方。しかし、その艦隊指揮能力、謀略術は「10万の艦隊に値する」ほど卓抜しています。運動は苦手で、射撃は《味方にあたる》ほど下手くそ。 ついでに、女性陣の人気は、ラインハルトよりヤンの方が圧倒的に上です。これには作者も意外だったとか?

見どころは戦争だけではありません。個性的なキャラクターにもあります。
迅速な兵法を用いることから「疾風」とあだ名されるミッターマイヤー提督をはじめとする主役級キャラクターはもとより、登場後1ページで死んだりするキャラクターにもファンがいるほど。
「知ってるか? 良い報せは1人でしかこないが、悪い報せは……だいたい友人を連れてやってくる」など粋なジョークも満載で、最強に笑えます。
ただ、大作なだけに批判もあります。最終章までに、登場人物の7割以上が死ぬことが一番大きいかと。しかも軍人が軍人らしく戦場で華々しく散ることは少なく、事故死、自殺、虐殺、暗殺などがほとんどでリアルな死に様です。
とはいえ、笑いあり涙ありのヒューマンドラマには一見の価値があります。MEは50回ほど笑って、20回ほど泣きました。
まぁSF歴史小説という形態ですから、ダラダラ文章もリアルな死に様も、MEは納得(諦め?)でしたよ。

この駄文で、一瞬でも興味を持った方は、ぜひ御一読を!
今なら徳間の新書やデュアル文庫がブックオフで売っているはず!

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